ある朝の出来事でした

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「いいか、よく聞けよ。俺のナニがさ、女の子のナニにね……なってしまったかもしれないんだ……ちょっと見てくるないかな? 俺実物とか見たことないし……それに、ほら、他に頼める人もいないし、女の人ならわかるでしょ?」 「……へ?」  宮田香織は気が抜けたような声を上げる。  俺の切実な願いが聞こえなかったのだろうか……。 「だから、俺のチン――」 「言わんでいい!」 「おっ! 見てくれんのか?」  俺は宮田香織の首に当てていた体温計を無意識に離して彼女の手を握ってまじまじと彼女を見つめていた。  うぅ……意外といいやつじゃないか宮田香織。惚れちまいそうだ。  まぁ、嘘だが。 「なっ……う……まぁ別に見てあげてもいいわよ……本当は嫌だけど」  宮田香織は俯き加減にぶつくさ言葉を吐いている。 なんだか本当に嫌そうな態度だ。  仕方ない、 「俺のを見るのがそんなに嫌ならお前のを見せてくれてもいいぞ」  どっちかてーとそっちの方が手っ取り早いかもな。 見比べられるし。 「やっぱ、お前の見せてくれ」  バチンと鈍い音が響き、頬がなにやらジンジンしてきた……これは痛いだ。 「馬鹿じゃないあんたっ! 普通女の子にそんなこと頼む? 見せる訳ないでしょホントデリカシーがないというか……これだから佐藤くんは……それにまだそんな格っ――」  怒号を撒き散らしていた宮田香織の口が止まる。  気付いてしまったのだ、怒りで初めは見えてなかったのか例のブツがまさに目の前にあることを。  そう女の子のナニのようになってしまった今は亡き俺の愛しきマイサンを。
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