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アクルは背後を見る。
背後……というより、周囲は木々生い茂る森の中だ。
アクルのいる場所はぽっかりと草木がなく、ニ十五メートルのプールくらいの広さで、草木無くぽっかりと荒れ地の様になっている。
「な、なに? なんなんですか?」
アクルは怯えた表情で呟く。
ガサガサ、ガサガサとなにかが近付いて来るのが解る。
激しい雨が叩き付ける中、その声は聞こえた。
「おぉ~い! 誰かいるのかぁ!?」
不意に、茂みの奥から人の声が聞こえた事に、アクルは少し安堵の息を感じる。
「す、すいません! えっと、えっと……。」
声に向かい、返事をするアクル。
「……あぁ、やめとけよあんた。」
頭に再び、直接声が聞こえる。
「えっ!? な、なんで、ですか……?」
アクルが頭に響く声に不安気に尋ねる。
「おぉ~い! 誰かいるのかぁ!?」
再び、森の中から声が聞こえた。
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