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アクルの視界が真っ赤に染まる。
とっさにかばうように差し出した両腕は無くなり、噴水の様に赤い液体が。
「あ……あ? う、うぁ? あぁあぁぁぁあああぁああ!!!」
アクルの悲鳴が森中に響く。
酷い激痛がアクルを襲う。
「うっわ痛そ。 ほれアクル、ふぁいとふぁいとぉ~。」
その場にまるでそぐわない呑気な声が聞こえるが、アクルはそれどころでは無い。
血の海の中、不意にアクルは痛みを感じ無くなる。
自分は死ぬのかと、アクルは思う。
――――まぁ、死ぬ場所が変わっただけ、か……。
「……え?」
アクルは再び眼を見開く。
アクルの視界には、無くなった両腕が、手が、確かにそこにあった。
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