序章、『プロローグ』

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 学校の靴箱の前で、アクルは深呼吸をする。      靴箱を開けると、自分の上履きが無くなっていた。      それを見て、この程度ですんだ事にアクルは胸をなでおろす。      穴のあいた靴下のまま、アクルは階段を上って自分の教室に向かう。      ぼんやりと自分の上履きの行方を考えるアクル。      ゴミ箱とかなら良い、トイレとかに入れられているのがもっとも辛い。      教室に着いて、アクルは無言で僅かに開いている教室のドアを眺める。      上には黒板消しと、かなり定番な感じだ。     「……。」      周囲から、押し殺した笑い声が聞こえて、アクルは軽く溜め息をつき、扉を開けた。      黒板消しが頭に直撃して、周囲からドッと笑い声が巻きおこった。
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