序章、『プロローグ』

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             アクルは、暴言の書かれた自分の机に座り、外の夕焼けをぼんやりと眺めながら、綺麗だなと思っていた。      なんとなく、自分のいる世界とは違う世界を見ている様な、不思議な気分をアクルは味わう。      もう誰もいなくなった教室を見回して、アクルは僅かな笑みを浮かべた。      ようやく、今日が終わった。 終わってくれた……。      別に、何時でも良かったし、学校にだって来なくて良かったのだけれど。      アクルはゆっくりと立ち上がり、ふらふらと歩く。 階段を、上る。      ふらふらとした足取りで、屋上に着いた。      鍵のかかった扉を無視し、隣の窓を、壁に立掛けられていた金属バッドで壊して屋上に出た。      肌寒い風を、心地好く感じながら、アクルは大きく伸びをした。      その表情は、晴々と。 活き活きと……。
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