天然少年少女

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あたしが勢いよくドアを開けると、そこには帰り支度をしたてんちゃんがいた。 「……あぁ、朝子か」 「……て……っ」 てんちゃん!? 「急にドアが開くからビックリしたよ。こんな時間になにしてるんだ?」 ビックリしたと言いながらも、いつものトーンで話しかけてくるてんちゃん。でも本当にビックリしているのはあたし。 だっててんちゃんと挨拶以外で言葉を交わすのは久しぶりだったから……危うく名前を呼びそうになった。だからといって表情には出さないけれど。 「ちょっとレポートまとめてて……内田くんはなにしてんの?」 「オレ?オレはバスケしてたよ。中庭にボロいバスケットゴールが一つあるじゃん?今さ、みんなでそれすんのにハマってんだ」 「そうなんだ」 「そう、そんでさ。なにか飲もうとしたら財布を机に入れたままにしてたの思い出して、取りに来たの」 てんちゃんは机に腰をかけ、ワイシャツのボタンを一つ外した。
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