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シャツから覗く鎖骨が艶かしく、バスケをして少し乱れた栗色の髪は汗で透けて見えた。女の子よりきめ細かい肌も、長い手足も、小さな顔も、全てが作り物のようなてんちゃん。
みんなが夢中になるのは仕方がないことなのかもしれない。
てんちゃんはなにかを話していたけれど、あたしはてんちゃんの声を聞くことに集中し過ぎて話の内容は右から左へ流れていた。
あぁ、そうだ。手紙を渡さなきゃ……
「そういえば内田くん、また手紙預かってるよ」
あたしは小走りで自分の席まで行くと、鞄からピンクの封筒を取り出した。
「あぁ、またか……直接オレに渡せばいいのに……」
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