天然少年少女

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そう言うとてんちゃんは腰を上げ、こっちへ近付いて来た。ジリジリと詰まる距離に、あたしの神経が研ぎ澄まされる。 半径1メートル。昔のあたし達にはこの距離が当たり前だったのに、今では体が強張ってしまうよ。 「いつもありがとな、朝子」 てんちゃんは手紙を受け取る時、必ずこう言ってくれる。 その言葉はてんちゃんの心?ううん、義務感……だよね? ここ何年てんちゃんに心を込めて接しないあたしに、心を通わす必要がないもの。 てんちゃんは義務であたしの幼なじみをしているだけ。義務で朝子と呼んでいるだけ。
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