462人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん、また……」
てんちゃんは手紙を片手に鞄を背負うと、あっという間に教室を出て行った。
今度こそ一人きりの教室。あたしは鞄からハードカバーの手帳を出した。
静な教室に響くのはあたしの胸の鼓動のみ。少し震える手で開いたのはマンスリーのページ。あたしは今日の日付からある日付までを遡って数え始めた。
「11……12……13……14……」
指が止まったのは14日前。その日に書かれたのは赤のハートマーク。それはてんちゃんと挨拶以外で会話をした日……
最初のコメントを投稿しよう!