天然少年少女

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「うん、また……」 てんちゃんは手紙を片手に鞄を背負うと、あっという間に教室を出て行った。 今度こそ一人きりの教室。あたしは鞄からハードカバーの手帳を出した。 静な教室に響くのはあたしの胸の鼓動のみ。少し震える手で開いたのはマンスリーのページ。あたしは今日の日付からある日付までを遡って数え始めた。 「11……12……13……14……」 指が止まったのは14日前。その日に書かれたのは赤のハートマーク。それはてんちゃんと挨拶以外で会話をした日……
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