1章『エドウィン家』

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父は気持ちを落ち着かせるように静かに深呼吸をしました。 「そうだな。悪かったな、バスキン」 父親は兄を見ながら言いました。バスキンとは兄のことで、兄の名前はバスキン・F(フトゥロ)・エドウィン。バスキンはオーファーより六歳年上の十二歳です。 バスキンは小さく首を横に振って、静かにご飯を食べ続けました。その間、オーファーは父が普通の表情に戻ったのを見て、ゆっくりとご飯を食べ出しました。 朝食の時間はこの後は会話が無く、静寂のまま時が過ぎていきました。そして朝食の時間が終わりました。 バスキンはすぐに村にある小さな学校へ行きました。父は少し休憩してから仕事に行きました。 オーファーはそれを確認すると、すぐに外に出掛けようと玄関にむかいました。 「お母さ~ん。出掛けてくる」 オーファーは玄関で奥の方にいる母に向かって、叫ぶように言いました。すると母が走ってむかってくる足音が聞こえてきました。 「オーファー。丘に行くんじゃないわよね?」 母は玄関に着くと、すぐにオーファーの目の前に来て聞きました。オーファーは少し嫌な顔で母を見ました。
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