1章『エドウィン家』

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母はしゃがみ込んで、オーファーと同じ目線になり、オーファーのことを真っ直ぐと見ました。 「何で、そんな顔をするの?約束でしょ」 母は小指を立てて、指切りをするようにオーファーの前に手を出しました。するとオーファーはプンと頬を膨らました。 「何でよ?別に悪いことじゃないじゃん。あの丘には緑がいっぱいあって、小鳥やうさぎとかがいっぱいいるんだよ。優しいおじいさんもいるんだよ。危なくもないよ」 オーファーは身振り手振りで母に必死に言いました。母は頭を抱えるように俯いた表情になりました。 「オーファー、あの丘には行っては行けないの。あの丘にはね……」 「じゃあ行ってきまぁ~す」 母が真剣に話している途中、オーファーは走って家を出て行ってしまいました。母は走っていく小さなオーファーの背中を見て、悲しげな表情になりました。 オーファーはそのまま走って丘にむかいました。丘に近づいていくと、ハーモニカの音が聞こえてきました。 その音を聞くと、オーファーは少し陽気な気持ちになってきました。すると丘にむかう足は更に速くなり、あっという間に丘の前まで着きました。
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