序章『おじいさん』

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村のはずれ近くに小さな丘がありました。その丘は村で一番緑が多く、うさぎなどの野生の小動物がよく見られました。 そして毎日そこにある小さな切り株に座って、ハーモニカを吹いているおじいさんがいました。 おじいさんは白い髭を生やしていて、ぽっちゃりとした体で、いつもニコニコと笑っていました。 村に住む人達はそのおじいさんを少し不思議がって、話し掛けずに出来るだけ避けるようにしていました。 なのでおじいさんはいつも一人でいました。だけどおじいさんは周りに小動物達がいることだけで幸せを感じていました。 そしてある日、おじいさんのいる丘に小さな子供がやってきました。子供は少し離れた所でおじいさんを見ていました。 おじいさんはそれに気付くと、子供にニコッと笑みを見せて、今までと違うリズムでハーモニカを吹き始めました。 それを聞くと、子供の気持ちは高揚してきて、自然に光り眩しいような笑みを浮かべて、少しずつおじいさんに近づいてきました。 するとおじいさんは嬉しそうにテンポの良い曲を吹き始めました。それを聞くと、子供はやっとおじいさんの目の前まで来ました。image=323656106.jpg
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