まだ見ぬ明日

序章『おじいさん』

そして子供は観察するようにおじいさんのことをじーっと見ていました。するとおじいさんは吹き終えて、子供の顔を見ました｡

「おじいさん。おじいさんはいつも一人で何をやっているの？寂しくない？」

吹き終えたおじいさんを更にじーっと見ながら子供は聞きました。するとおじいさんはニコッと笑って、子供の顔を真っ直ぐと見ました｡

「自然を創っているんだよ。これが私の使命なんだ。決して寂しくは無いよ。この丘には小動物達がたくさんいるからね」

「自然を創ってるの？どうやって？」

おじいさんが言うと、子供はすぐに身を乗り出しておじいさんに聞きました。その時の子供の目は光り輝いていました｡

「このハーモニカを使って演奏をするんだ。自然に向かって演奏をするんだよ」

おじいさんはハーモニカを強調しながら持って言いました。すると子供は何だか嬉しそうな表情になっていました｡

「そっそれって僕にも出来る？ぼっ僕にも自然は創れるの？」

子供は自分のことを指差しながら、嬉しそうにおじいさんに聞きました。するとおじいさんは一瞬だけ真剣な表情になって子供を見ました｡