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オーファーも急いでテーブルの前に座りました。何だか緊迫した空気が流れていました。
「では、いただきます」
「いただきます」
父が手を合わせながら言うと、続いて母、兄、オーファーが言いました。エドウィン家はご飯の時はしっかりとみんな集まり、一緒に食べるのが日課でした。
「オーファー。昨日の夕暮れ、丘に行っていなかったか?」
父が静かにご飯を食べながら、一度もオーファーに目をやらずに言いました。するとオーファーはドキッとしてしまい、ご飯を食べる手が止まってしまいました。
エドウィン家では村にある丘には行ってはいけないことになっていました。オーファーはそれが何故だか分からずに、その約束を破ったのでした。
オーファーは恐る恐ると父親に目をやりました。父は黙ったまま朝食を食べていました。
「……行ったよ。何か悪いの?」
オーファーは少し怖がりながら聞きました。すると父は朝食を食べる手を止め、オーファーを見ました。
「あそこには行ってはいけない。そう教えたはずだ、オーファー。約束をしっかりと守りなさい」
父はオーファーを睨むような目つきで見ました。するとオーファーは蛇に睨まれた蛙のように止まってしまいました。
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