16人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなた。いくらなんでもそんなに睨まなくても良いじゃない」
母が父のことを見て言いました。オーファーは父親の視線が怖くて、今だに動けないでいました。
「母さん。あの丘には”あの人”がいるんだ。オーファーにはあんなことになってほしくない」
父の表情が強張ったような表情から、悲しいような表情になって言いました。それと同時に父は頭を少し抱えていました。
「そうですけど、オーファーは大丈夫ですよ。”今は私達の子”ですもの。何かあったらすぐに助けられますよ」
オーファーは話しを黙って止まったまま聞いていますが、何を言っているかが分かりませんでした。
「何かあってからじゃあ遅いんだよ。オーファーには普通の人になって欲しいんだ」
父は少し強い口調になってしまいました。すると母は少し驚いてしまい、黙り込んでしまいました。
「父さん、母さん。朝からそんな話しはやめなよ。オーファーの前だよ。オーファーは話し分からないかもしれないけどさ、嫌な気持ちにはなると思うよ」
今まで黙って朝食を食べていた兄が手を止めて父を見ながら言いました。
最初のコメントを投稿しよう!