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「はぁ…疲れた」 入学式を終えてこれから三年間お世話になる校舎をぐるぐると見渡しながら歩いていると。 カタカタ… 「?」 普段は使用しない空き教室から物音が聞こえてきたので如月は誰か居るのだろうかぐらいに思い、通り過ぎようとした。 ガタガタ! 「えっ」 先程よりも大きな物音にさすがに怖くなり足早に帰ろうとした瞬間、今度は聞き慣れた声が如月の耳に入った。 「や…!」 その声を聞くや否や反射的に教室の扉を開けると。 「…!優人(ユウト)先輩!」 そこには両手を掴まれて白衣の男(先生)に覆いかぶされている大谷優人がいた。 「敬…也っ?」 大谷が気付き如月に声を掛ける。 「テメェ、先輩に何してんだよ!手、放せよ」 教室は薄暗くて大谷を覆っている先生の顔はよく見えない。 「いつまでそうしてるんだよ、変態教師!」 勇敢にも近付いて二人の前まで歩み寄る。 すると初めて大谷に覆いかぶされていた教師が喋った。 「もういい。君は帰りなさい」 「え…でも、」 二人の会話が少し意味深なものに聞こえたが今はそんな事は気にならなかった。 如月がこの学校に入学した目的の一つが大谷の存在がいたからだった。 如月は誰よりも大谷を敬愛していた。 「いくら先輩が可愛いからって、教師がそんなことしていいと思ってんの?せんせ!」 大谷が乱れた着衣を直して足早に教室から出て行った事を確認すると如月はそいつに話し掛けた。
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