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「彼方…だっけ?どこに居るのかな…」
辺りをキョロキョロ見渡した。
「あー居た居た」
笑がその声に振り向くと、本を持ったまま走ってくる彼方が見えた。
「真紀さんの妹さん、これ。真紀さんの忘れ物」
と、本を手渡された。
「あ、わざわざありがとう。じゃこれで…」
「あっ、待って!あんた…いや、君何年生?」
笑は『何こいつ…』と思いながら、
「中2です」
「それなら俺と同級生。どこの中学?」
「谷城中ですけど…」
「俺、星南中」
「それが何か…あっ!そろそろ戻らなきゃ。じゃさよなら」
その場から去ろうとした時、
「ちょっ、待って!俺、彼方。杉山彼方。君は?」
「えっ、あっ、相原笑」
「バイバイ、笑ちゃん」
手を振りながら笑って言った。
あまりにもにこやかに笑うので笑はドキッとして赤くなった。
そして軽く頭を下げ、去っていった。
それが笑と彼方との出会いだった…。
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