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それに続くように、背中に羽根
を持つ水色髪の女性が、
「ボクは、ミントだよぅ。よろ
しくねぇ。」
と言い、私の回りをパタパタ
飛び回っていた。それを見て、
私は無性にうずうずし、そして
…『パシッ』とミントの翼を手
で捕まえていた。
ミントと名乗った女性は、じ
たばたさせながら、
「何すんだよ~ 離して~」
と文句を言って来たので、私
は戸惑いながらも、
「ごめんなさい、目の前をちょ
ろちょろされて…私の人狼と
しての狩猟本能が刺激された
みたい…。」
と謝ると、ミントは
「狩猟本能って、ぼ、ボクなん
て食べても、おいしくないん
だから~うわぁぁぁん」
と泣き叫びながら、二階の方
に飛んで行ってしまった。私は
どうすれば良いか困っていると
、達哉が微笑み、
「大丈夫だよ。ミントは立ち直
り早いから、あまり気にしな
くていいよ。狼漣は、本能に 従ったまでだからさ。悪いの は、本能を擽ったミントさ。
」
と、私の気持ちを悟ってか、
言ってくれていた。その優しさ
は、今まで冷たくされ続けた私
にとって、とても温かいものだ
った。
「さてと、気を取り直して あた
しは、プレセア。人間とエル
フのハーフよ。ハーフ同士仲 良
く出来そうだね。よろしく ね
♪」
とプレセアの名乗った女性が
微笑み、手を差し出して来てい
た。私は差し出された手に、困
惑してると、プレセアは苦笑す
ると、
「あちゃー まだ心開けないかー
まぁ そうだよね。ちょっと図
々しかったわね。ごめん。」
と謝って来ていた。すると、
アリシアが
「あら、プレセアが自ら謝るな
んて、槍が降るよ。」
とからかうように、言ってい
た。それを聞いたプレセアは、
「うっさいわね。あたしだって
謝る時は謝るわよ!」
と、少し怒った様子で言って
いた。それを聞いたアリシアは、
「どーだが、あたしには絶対謝
らないじゃん。狼漣に謝るの
に、あたしに謝らないなんて
、それって差別。あたし 悲し
~い。」
と、更にからかっていた。そ
れを聞いて、プレセアは余計に
激昂し、そして揚句、二人は私
をほったらかしに口喧嘩になっ
ていた。だけど喧嘩する二人は
、どこかしら相手を罵りながら
も、お互いに相手の事を理解し
ていた。そんな二人を見ていて
、不思議と今まで感じていた警
戒心が晴れていき、
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