歪んだ親子の絆

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 それを聞いたアリシアは、死への恐怖に負けた様子で 「もう、いい加減にして!!あ たしは死にたくない!母さん 、あたしは人間じゃない!ハ ーフエルフよ!あたしはまだ 死にたくない!もぅ…うああ あぁぁぁぁぁ!!」  と叫び、アリシアの体は、光り始めていた。私は、それを見て 「そんな、メル! アリシアから 離れて、今の叫びが言霊に! 魔力が暴走の前兆を見せたわ 。」  とメルに、離れるように促していた。メルは漸く事の重大さを把握した様子で、 「そんな…、狼漣どうにか出来 ないの? 私は、ニールを失っ た上にアリシアまで、失いた くない!」  と縋るように言って来ていた。私は 「出来る事は、出来るわ。ただ し二つ約束して欲しい事があ る。」  と切り出すと、メルは 「何? アリシアを助ける為なら 何だってするわ。」  ともう今にも泣き崩れそうになりながらも、言って来ていた。私はそれを聞いて 「一つは、メル、アリシアはハ ーフエルフよ。魔法を使わな ければ、今回のようになる。 今後アリシアに、魔法を教え てね。」  と切り出すと、メルは少し俯いたが、だが娘が苦しんでいるのを目の当たりにして 「…わかったわ。アリシアはニ ールとは違う。私の血が入っ ている以上…ハーフエルフだ ものね。」    と答えて来ていた。私はそれを聞いて、頷き 「あと、二つ目はアリシアが魔 法が使いはじめても、アリシ アに冷たくしない。今まで通 りにしてあげて。」  と、アリシアが1番恐怖して、今まで言い出せなかった事を除く為に切り出すと、メルは 「そんなのは当たり前じゃない 。アリシアは、例え魔法を使 うようになっても、私とニー ルの愛の結晶に違いはないわ 。」  と力強く、言っていた。それを聞いたアリシアは、苦しみに堪えながらも泣いた。苦しくて泣いたんではなく、嬉しさから。  私は、 「そう。アリシアはそれが1番 不安だったみたいだからね。 それを聞いて安心したわ。」  と微笑み言うと、メルは苦しむアリシアを見つめ 「そぅ…。アリシアには悪い事 をしてしまったわね。それで どうするの?」  と首を傾げ聞いて来たので、私は 「ん。メルは、どうしてエルフ と人狼は、戦争を始めたと思 う?」  
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