歪んだ親子の絆

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「すごい。体がすごく軽くなっ たよ。狼漣ありがとう」  アリシアは微笑み、礼を言って来ていた。私は朦朧としながらも、傷を治癒魔法で治療しながら 「別に礼を言われるような事は 、してないわ。それよりどこ か異常感じない?」  と聞くと、アリシアはそれを聞いて、体のあっちこっちを動かして見ていた。そして、やはり異常は見つかった。 「狼漣、左腕に力が入らないよ 。どうして。」  とかなり焦った様子で聞いて来ていた。私は 「アリシア、それは自分の腕を 見たら解るわ。」  と腕を見る事を促すと、メルが慌てた様子で、少し乱暴に、アリシアの着ていた服の左腕側の生地を破いていた。そして現れたのは、それは結晶化した皮膚組織だった。  それを見たメルは、腰を抜かし、アリシアは 「ちょっと、なんなのよ!これ ぇ? どうして…あたしの腕ど うなってんのよ!?」  と半ばパニックになり叫んでいた。私は 「落ち着いて、これは暴走して しまった者に現れる後遺症よ 。別に命には危害を加えない から安心して。」  と説明すると、アリシアは 「そうなんだ。でもなんなの? これは?」  と首を傾げ聞いて来たので、私は 「それは、魔力石、マジックス トーンよ。高濃度の魔力が詰 まった石。魔力の暴走で、高 濃度の魔力を浴びた皮膚組織 が変化を起こしたものよ。ま た、ドワーフがつくる魔力制 御装置の材料の一つでもある わ。」  と説明すると、アリシアは 「材料って、じゃあ魔力制御装 置って一つ作るのに、エルフ か妖精をわざわざ暴走させて いるの?」  と首を傾げ聞いて来たので、私は笑うと 「そんな訳ないじゃない。もし そうだとしたら、ドワーフと 妖精エルフは、戦争になって しまうわ。確かにエルフと妖 精でなければ、魔力石は採れ ない。だから契約で、ドワー フは魔力制御装置を、格安で エルフや妖精に提供するとい う条件で、エルフ妖精が、暴 走を起こしてしまったエルフ 妖精、または、マナ石に全開 の魔力を当てて、無理矢理に 魔力石に変化を起こさせて、 渡しているのよ。」  と説明していた。メルはそれを聞いて 「やけに詳しいのね。あまり一 般には公開されてないはずよ 。それは?」  と首を傾げ、聞いて来たので、私は苦笑すると
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