ポインセチア

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私は、 「ごめん、大ちゃん、 今から老人ホームに行かなくちゃいけないの。」 と言うと彼は 「そっか。頑張って。」 と手を振った。 私はいつものように大ちゃんを見て 「また明日ね。」 って言ったけれど、 大ちゃんもいつものように私を見ないで、 「ああ。」 と言った。 やっぱり今日も見てくれなかった。 そんな想いを抱いている自分のわがままが つらくなった。 私は緑丘老人ホームへボランティアのために、 一緒の帰り道を離れた。 どうしても大ちゃんの姿をもう一度見たくて、 振り返った。 もしかしたら、あなたも振り返ってくれてるかもしれない。 そんな淡い期待を胸に 体を反転すると、 そこにはすでに 彼の姿は無かった。 …私の想いは重いのかな。 そんな不安が 誰もいない路地を 余計に淋しくさせた。 、
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