何もない空間

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壁は少しざらざらした。 少年はしばらくし、壁がめくれている事に気付き、手でその壁を壊した。 めくれた壁は意外に、もろかった。一発殴っただけで、大きな穴ができた。 少年は穴の中に、手を滑りこませ、手探りで何かないかと調べる。 コツン 指に何かが当たる。少年はそれを触った。 「…?ドアノブ…?」 それは、ドアノブだった。少年は穴を広げ、それを見た。 ドアは意外に小さく、少年がしゃがむくらいの高さだった。ドアの色は、赤。 少年は、ドアノブを掴み、ドアを開ける。ドアの向こうには、またドアがあった。そのドアは、黒。黒いドアを開けると、壁があった。殴ってみたが、硬いようだ。 …よく見てみると。 壁はドアで。ドアノブが見えなかっただけ。色は白。そのドアを開けた。
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