何もない空間

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するとまた、ドアがあった。青いドアだった。 「…なんだよ。」 少年は少し、腹立たしくなってきたので、青いドアを殴った。 「痛っ!」 「?」 ドアを殴ると、どこからか声。少年は不思議に思い、今度は撫でてみた。 「止めて、くすぐったい。」 「…?ドアが喋った?」 「ドアじゃないわよ。アタシよ。」 声は、後ろの方だった。 振り返ると… 「あ、金髪少女。」 それは、さっきの少女だった。 「金髪少女じゃないわよ。アタシは人間じゃないし、少女なんて呼ばないで。」 「…君は誰だ?」 「そうね、強いて言えば、この空間の一部分ね。」 少年は、その人の言ってる事が、分からなかった。 「簡単に言うとね。青いドアなの。」 「は…?どういう事だ?」 「…じゃ、そっちのドア、開けてあげるから。」 少女は、自分の手をつねった。 ガチャッ キー… すると、ドアが独りでに開いた。 青いドアの向こうには、大きな古いドアがあった。 「行きなさい。そのドアが最後のドアよ。アタシはもう、戻らなくちゃ。」 少女はそう言うと、壁をすり抜けて行ってしまった。 少年はドアを開ける。 真っ暗だった。だけど向こうに、明かりがあった。 少年は歩いた。慎重に。 明かりは徐々に近くなる。 着いた時、少年は後悔した。 明かりではなく 血だった。 そして、ライトで照らされているから、明かりに見えたのだ。 前には、返り血を浴びたドアがあり、 “ゲームオーバー” と書かれていた。 ドアが開き、少年は何かに引っ張られた。そして ブシュウッ 少年は血を抜かれ、血があった所には、池ができた。少年は、暗闇の奥に引きずりこまれ… 死んだ。  
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