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「ルク」
「あ、あれ? 浩也?」
「うん」
「なんで、その……生きてるんだ?」
「いや、この前死んでそのままだ」
「あ、本当だ。よく見たら透けてるし足が無い」
「なんだか、すごく身体が軽い」
「幽霊だからかな?」
「そうか、便利だな」
「べ、便利なの?」
「歩かなくても移動できるし、腹も減らない」
「そ、そう……」
「頬の入墨も消えてるし」
「……浩也」
「なんだ?」
「ごめんな」
「…………」
「僕の力が至らなくてこんなことになって……」
「いや、謝らなくていい」
「……だけど」
「こうして自由になれたし」
「でも、もう生きてない……」
「それでもルクと話ができる」
「…………」
「ルク」
「……なに?」
「ありがとう」
「……うん。僕も、ありがとう」
「あ、もう時間か……」
「え、まさか天国に……?」
「いや、ドラ○もん見る時間」
「幽霊でもテレビ見るんだ」
「一緒に見よう」
「そうだね」
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