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気が付いた時には薄暗い部屋の中だった。 体を起こそうとしたが、手足を縛られ、そこから伸びた鎖が部屋の隅に固定されていて身動きがとれない。この状態になってからどのくらいたったのだろう。とても長く感じていた。 遠くでドアを開ける音がした。 足音は真っ直ぐこちらに向かってきて、この部屋のドアが開いた。 重い頭を上げると、よく洗濯されたセーラー服の少女が見下ろしていた。逆光で表情はよく見えない。 ―――誰だ…? 少女はにっこりと微笑み、手に持っていた大きめな鞄から靴を取り出した。それをゆっくりと履いていく。 ―――何だ… ろくに状況判断する時間もないまま、少女は横たわる男の顔に、靴を押し付けた。間もなく上から声がした。 「舐めなさい。私、貴方の女王様になってあげたんだから。そして貴方は私の奴隷にならなくてはいけないの」 冷たく抑揚のあるこえだった。 男は恐怖と絶望感に陥った。
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