+肆【雨降り】

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 僕はこっそり部屋を抜け出した。  家の中は、みんな寝静まってしまってかなり静かだ。  なるべく音を立てないように気をつけながら、僕は約束の場所へ向かった。  鍵は奏者が開けてくれている。研究所は夜中誰もいないので、見られる心配はない。  僕はそっとドアを開けた。 「永遠…?」  呼びかけてみると、かたん、と物音。  少しだけ開いていた、通路脇のドアから、奏者が顔を出した。 「こっち」  手招きされたほうへ急ぐ。  無事に応接室にたどり着き、僕はホッと胸を撫で下ろした。 「で、話ってのは?」  革張りのソファに腰を下ろして、奏者が尋ねる。  僕はその向かい側に座って、躊躇いながらも口を開いた。 「その…絶対零度のことなんだけど」 「四季の?あいつがどうした」  どう言ったらいいんだろう。  迷いながら、僕はそれを口にした。 「…永遠は絶対零度と絶対悪を一緒にいさせてあげたいんだよね。だから二人のそばにいるんだよね」
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