+肆【雨降り】

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「まぁな」 「もし二人が本当は同じ未来に向かってなかったら、それは悲しいことだよね」 「…どういうこと?」  奏者の表情が曇った。  僕は話を続ける。 「絶対零度は…四季は一緒に死ぬつもりでここにいるんじゃないんだ」  反応はなかった。  何かを感じ取ったように押し黙る奏者。  多分もう気付いただろう。僕の言いたいこと。 「四季は一人で死ぬつもりなんだ。ここへは最後の時を過ごしに来たんだ」  あまりにも唐突な話に、奏者は唇を噛んで何かを考え込む。 「…それで、俺はどうすればいいと思う?」  口を開いて出た言葉に僕は、ずっと考えていた言葉をぽつりとつぶやいた。 「永遠はここを離れるんだ」 「は…」 「向こうにつけとは言わない。でも、もう絶対悪の手助けはしないでほしい…」  ここから戦力を奪い、少しでも計画を遅らせながら、絶対零度を説得しなくては。  そのために、奏者の力を欠くことは、少しだけど足止めすることになると思うのだ。
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