+伍【現実】

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 それに、退廃世界の場合、銃を抜くのと弾を装填するのが速い。  思っていたよりは、心配する必要もなさそうだった。  ふと気付いたのだが、いつの間にか奏者と銀色の姿がない。  一体どこに消えたのだろうか。  その間も、戦いは激しさを増す。  僕は、時間屋の姿を探した。  あいつのことだ、怪我をしているとはいえ、ここに来ていないわけじゃないだろう。  偶像崇拝なら時間屋にだって何か役割を与えているはずだ。  と、その時だった。  部屋の外で誰かの悲鳴が上がる。  僕らははっとして振り返った。 「もしかして…!」  棗がホルスターから銃を抜いた。 「先生、夢路をお願いします!」  そう言って、ドアの前に立つ。  ドアノブに手をかけようとした瞬間、カチャリ、とドアは開いた。  慌てて一歩、後ずさる。  そこにいたのは、やはり彼だった。
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