参【死体】

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 天国さんが聞くと、絶対零度は小さく頷く。 「今日は気分がいい」  皆普通に話しているけれど、僕は何を言っていいのかすらわからない。 「所長、あとは首のコードからの信号を切るだけです」 「うん、切ってくれ。動きたいだろう、四季。折角夢路がここに来てくれたんだ、こんな所では話も出来ない」 「ん…ありがとう」  首のコードを外して、絶対零度は小さく伸びをした。 「体が変だ。自分の体じゃないみたい」  苦笑して、ゆっくりと足を下ろす。  奏者がさりげなく腕を出した。  多分この中じゃ一番力があるし、絶対零度は背が高いから、支えるには奏者くらいがちょうどいい。 「ありがと、奏者」 「…ん」  どうやら立てそうだ。  絶対零度は少しだけ足を動かしてみて、うん、とつぶやいた。 「歩けそう。着替えてくるからリビングで待ってて」  僕に向けられた視線。  一瞬ドキッとして、僕は何も言わずに頷いた。
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