参【死体】

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「眠れないんですか、四季」 「うん。脳みそがいうこと聞いてくれなくて、寝ると全部止まっちゃうの」 「全部止まるってのは…」 「体の機能が。生命維持が自分じゃ出来ないんだよ」  だから、あんなにいっぱい繋がれているのか。  寝ている間に呼吸や心臓が止まらないように。 「じきに戻るとは思うけどね。こんなことがあったのは初めてじゃないし」  絶対悪がそう言ったところで、リビングに絶対零度が姿を現した。  黒のジーンズにラフなカットソーを着て、オフホワイトのロングカーディガン。相変わらず寒そうにしている。 「…聖一」  入ってくるなり、絶対零度はぽつりとその名を呼んだ。  今まで絶対悪も向こうにいたわけだから、久しぶりに会ったのだろう。  まずは二人の再会を、僕たちは静かに見守っていた。  絶対悪が柔らかに笑う。 「いつまで見下ろしてる気?不愉快なんだけど」 「あ…ごめんなさい」  絶対零度は当然のように絶対悪の足元に座り込んだ。
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