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「眠れないんですか、四季」
「うん。脳みそがいうこと聞いてくれなくて、寝ると全部止まっちゃうの」
「全部止まるってのは…」
「体の機能が。生命維持が自分じゃ出来ないんだよ」
だから、あんなにいっぱい繋がれているのか。
寝ている間に呼吸や心臓が止まらないように。
「じきに戻るとは思うけどね。こんなことがあったのは初めてじゃないし」
絶対悪がそう言ったところで、リビングに絶対零度が姿を現した。
黒のジーンズにラフなカットソーを着て、オフホワイトのロングカーディガン。相変わらず寒そうにしている。
「…聖一」
入ってくるなり、絶対零度はぽつりとその名を呼んだ。
今まで絶対悪も向こうにいたわけだから、久しぶりに会ったのだろう。
まずは二人の再会を、僕たちは静かに見守っていた。
絶対悪が柔らかに笑う。
「いつまで見下ろしてる気?不愉快なんだけど」
「あ…ごめんなさい」
絶対零度は当然のように絶対悪の足元に座り込んだ。
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