参【死体】

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 ああ、そんなことか、と、絶対零度は苦笑する。  だって、絶対零度は絶対悪が好きなんだろう?  だったらどうして結婚なんて勧めるんだろう。  折角離婚してそばにいてくれてるのに。 「元々律子さんと結婚したのも、俺が勧めたんだ。聖一に幸せになってほしくて」 「そうなの?」 「聖一は女の子が大好きだからね。律子さんのことを前々から気にしてたのは知ってたし」  僕はなんだか納得できなくて、ちびりとお茶を飲む。 「それじゃ四季はどうなるの?四季は絶対悪が好きなのに、一人になるじゃん」  絶対零度は明るく笑った。 「いいんだよ、それでも。それはそれで最高の放置プレイだぜぇ?」  そう言ってケラケラ笑うところは以前と変わりなくて安心する。  けれど、絶対零度がとても悲しい人なのは、僕ももうわかっていた。 「自分が先に死んじゃうのをわかってて一緒にいられるほど、俺は強くないんだよ」  きっとそれが本心だ。  別れを悟った瞬間に、一緒にいられなくなったんだ。
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