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それはいつのことだったんだろうか。いつから、そんな思いを抱えているのだろう。
「四季」
ふとリビングの入り口を見ると、棗と天国さんの姿があった。
「先生…」
「調子はどうだ」
「…まあまあ。もう普通に生活は出来そう、かな」
そうか、と短く答えて、天国さんは四季の隣に座った。
棗がグラスを取り出し、天国さんの前に置く。
僕はなんだか少し緊張しながら、二人を見ていた。
絶対零度がこうなったのには天国さんだって関係しているはずだ。
絶対零度は、今もこうしてそばにいる天国さんを、どう思うんだろうか。
知りたいことが多すぎる。
「…四季」
「はぁい?」
「……いや、何でもない」
天国さんには何か、思うところありそうだ。
「ねえ、先生。先生がいるならうたた寝していい?」
「…かまわんよ。死にそうになったら機械にぶち込んでやるさ」
「ぶち込まれちゃ困るなぁ」
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