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脱皮の鱗が亡くなると、人間たちは、まだ鱗を欲しいと言い出し、蛇の姿の侭鱗をナイフで剥いでいった。 誰かを救えるのなら という頑なな思いの侭、何枚も剥がす事を許し、耐えたが、限界まで弱った体力は蛇の肉体を維持することが出来なくなった。 少年の姿で岩に転がっていると、鱗目当てで来た人々に見つかり、彼らが何か会話を交わしたのを霞がかった意識から聞こえた。 そのあと乱暴に布袋に詰められ人身売買にかけられる。 卑しい資産家に売られた雅は、屈辱的な毎日を強いられる事になる。 胃を切り取れたのもこの頃。 ふいに牢の前にジルが現れ、鎖や首輪 拘束具を外す代わりに着いてこいと言われ、頷きジルとともに消え、今に至る。
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