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「ああ………ヘドが出る」
なんであそこまでかまってくる?
てかなんで俺が便所にこもらないといけないんだ?
「ハァ………めんでぇ、帰るか」
ガチャ
誰かが便所に入ってきた。
「彰人くん」
さっきの眼鏡の何とかという奴だ。
名前?
名前なんぞ覚えるきはさらさらないから覚えてないに決まってるだろうが。
「なんかようか?」
「なんか僕、気にさわるようなことを言ったかな?そうだったら謝るよ。ごめん」
「べつに………………」
めんくせぇ奴だ。いちいち気にするなよ、たく。
こんなんほっといて帰ろ。
俺は眼鏡をまた無視して便所を出た。
便所を出ると、ショートカットの女子が誰かを待つように男子便所前に立っていた。
(あの眼鏡の奴でも待ってるのか?………………まっ、俺には関係ない)
何も見なかったように横を素通りした。
だが
「!!?」
「ねぇねぇ、ちょっと待ってよ。私と話さない」
そいつは俺の腕をしっかり掴んでいた。
「おい、離せ」
俺は人間に触られるのが大嫌いだ。べつに潔癖症じゃないが、人間が嫌いだから触られるのは嫌なだけだ。
力を少し込め、掴んでいた手を振りほどいた。
「痛っ!そんなに恥ずかしがなくてもいいじゃない」
「………………」
めんどくせぇ………
無視だ、無視して帰ろ。
出口はあっちだったな。
「えっ!ちょっと!もう帰るの!?あんた何しにここに来たのよ」
「五月蝿いんだよ。俺に話しかけるな」
ドスを効くように俺は声を上げた。
結構強く言ったからこれで話しかけないだろう。
まったく無駄でくだらない時間を過ごした。
帰って寝るか。
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