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「ただいま……か…」
俺は家に帰ってきた。
俺の家は、これから通う高校から歩いてすぐの高級マンションに住んでいる。で、一人暮らしだ。
何故こんな高級マンションに住んでいるのかというと、俺の‘今’の保護者がどこぞの大企業の社長だからだ。
元々俺は、そいつの企業の事情で引っ越すことになっていたが、俺は
『行きたきゃひとりで行け。俺を巻き込むな』
そうそいつに言うと、金持ちの娯楽とでも言ううのか、高級マンションをたった3カ月そこらで建てやがった。そして、そいつはひとりで引っ越していった。
べつにそんこと頼んでないがな。まあ、今年から行く高校が近くにあったし、住むことに決めた。
「飯は……コンビニでいいか」
保護者が金持ちだから金の心配はない。いつも外食やコンビニで済ませている。
「だが、さすがに飽きてきたな」
料理はできないわけでもないが、なんかやる気にはならない。
「まっ、いつも通り外食で」
ピーンーポーン
「ん、誰だ?」
知り合いという知り合いはいないから、宅配の人か?
とりあえず出てみるか。
ドアを開けるとスーツ姿のかなり美形な男が立っていた。
「あんた誰?」
「あれっ!?私だよ私!霧彦(きりひこ)だよ」
「きりひこ…………?」
「君のお兄ちゃんだよ!久遠 霧彦(くどう きりひこ)っ!!」
「ああ、‘あいつ’の子供か。で、何か用?俺、これから買いもんなんだけど」
「頼む!!」
俺に頭を下げ、頭の前に合掌して頼み込む。
「嫌だ。じゃあ」
「えっ、ちょっと、お願いだから頼むよ。本当に頼れるのは君しかいないんだ」
「数回しか会ってないのにか?」
「だからだよ!!」
何言ってるのかわからん。こいつ大丈夫か?よくこんなんで‘あいつ'の企業で副社長がやれるな。
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