27人が本棚に入れています
本棚に追加
車が通り過ぎる音。
夜の街灯り…
道行く人の楽しげな声。
こんなに遅くまで、外を出歩くのは初めてに近い。
きっとお母さんに怒られる。
けど…
『凛。落ち着いた??』
将介のいつもにない優しさが心地良い。
家に帰りたくなくなる。
『…大丈夫。将介…ありがと。』
そんな会話をしながら、公園のベンチに腰掛ける。
『はぁ…』と溜め息を漏らし、私は下のほうに目が落ちていく。
『凛さぁ-。いつから兄ちゃんが好きなの??』
将介が問う。
言葉を選びながら私は、将介にお兄ちゃんへの思いを口にする。
『…私ね。ちっちゃい頃からお兄ちゃんとよく遊んだり、お祭りいったり、お風呂入ったりしてたのね。それで…、私が小学校の2年生のときかな…。すごい熱でて、病院に入院したの。 お兄ちゃんすごい心配してくれて、毎日お見舞い来てくれたの。…すごく嬉しかったんだぁ…。』
将介は黙ってうなずきながら聞いている。
『それで?』
『嬉しくてお兄ちゃんの側に居たくて、こぅ…ここ(胸)がきゅぅ-って熱くなったの。…そのほかにもあるのッ!!お兄ちゃんはいつも、私のこと守ってくれたり、転んだりしてもおんぶして家まで送ってくれたりして!!』
最初のコメントを投稿しよう!