すれ違う気持ち

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車が通り過ぎる音。 夜の街灯り… 道行く人の楽しげな声。 こんなに遅くまで、外を出歩くのは初めてに近い。 きっとお母さんに怒られる。 けど… 『凛。落ち着いた??』 将介のいつもにない優しさが心地良い。 家に帰りたくなくなる。 『…大丈夫。将介…ありがと。』 そんな会話をしながら、公園のベンチに腰掛ける。 『はぁ…』と溜め息を漏らし、私は下のほうに目が落ちていく。 『凛さぁ-。いつから兄ちゃんが好きなの??』 将介が問う。 言葉を選びながら私は、将介にお兄ちゃんへの思いを口にする。 『…私ね。ちっちゃい頃からお兄ちゃんとよく遊んだり、お祭りいったり、お風呂入ったりしてたのね。それで…、私が小学校の2年生のときかな…。すごい熱でて、病院に入院したの。 お兄ちゃんすごい心配してくれて、毎日お見舞い来てくれたの。…すごく嬉しかったんだぁ…。』 将介は黙ってうなずきながら聞いている。 『それで?』 『嬉しくてお兄ちゃんの側に居たくて、こぅ…ここ(胸)がきゅぅ-って熱くなったの。…そのほかにもあるのッ!!お兄ちゃんはいつも、私のこと守ってくれたり、転んだりしてもおんぶして家まで送ってくれたりして!!』
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