ごめん

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たくさん、いろいろなことを考え、顔は足ばかり見て歩く。 着実に家に帰っている。 家に帰っても良いことはない。 お父さんとお母さんには怒られて、お兄ちゃんと話するのも怖くて、瑠衣ちゃんに顔を合わせ辛い。 昨日やった後悔ばかり。 考えることはたくさんあるのに、気がつけばもう家の前だ。 勇気を振り絞って、まず家に入る。 『ただいま。』 『おかえり。勉強は、どう??はかどった??』 お父さんも、お母さんも怒ってはいなかった。 『うん。大丈夫だった。』 それだけ答えた私は、真っ先に自分の部屋に向かった。 部屋のカーテンを少しだけ開けてお兄ちゃんの部屋を覗く。 お兄ちゃんは…まだ寝ているのだろうか…。 カーテンがまだ閉まっている。
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