二 天才と馬鹿の差

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「まず、この機関の仕事分担の話から始まるね」 時間は午後九時。本庄はオールを呼び、俺とともに研究室にいる。 「総統がラングさん。で、副幹部みたいな位置付けがオール君ね。そして、各分野で幹部が二人ずつ置かれているの」 「分野って……例えば?」 「全部で二十ぐらいあるんだけど、とりあえず悠理君が知ってる人が所属している部から。初めにあたし。科学部って言って、常に新たな実験、調査を行って、機関に必要な機械の設計とかいろんなことしてんの」 本庄は暇を潰すために新たな調合実験をしているようで、試験管を振ったりしながら話を進めている。 オールは本庄ライブラリーの上段にある本を読んでいた。どうやら幼い頃天才児だってことは本当のようだ。二十過ぎぐらいの人が理解できる本ではなさそうなのに。 「次に、草薙君や神川さんが所属する分野は情報部。情報部の中でもいくつか役割が分けられていて、デスクワーク組と各国の近況や事件を調べる係があって、草薙君達はある事件を追って日本で調査してたわけ」 「基本情報部は各国の近況を伝えるだけの平和な部だ。しかし情報部のトップにいるあの二人は、事件の方も担当することがある」 オールが本から目を離さずに言う。本庄の足らない説明があれば付け足してくれるようだ。
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