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「また超能力者が……一体何者なんだ、犯人は」 世界超能力機関の最高責任者である、ラング・カイラーンは新聞記事を見て悪態をついている。 ラングは10年前の2007年、超能力戦争という世界規模の戦争で指揮を執った人物であった。 超能力戦争とは、地球に攻め込んで来た地球外生命体を全地球人で退治した、人類史最大の戦争である。 その際に、戦う地球人の筆頭として超能力の優れた者を集めた人物こそが、現在世界超能力機関の最高責任者であるラングなのである。 その超能力者が戦争で顕著な活躍を見せたので、2007年秋から冬にかけて起きた戦争を“超能力戦争”と呼び、後世まで語り継がれていた。 そしてその世界超能力機関のメンバーは、日に日に増えていき、ついには一万人を越えた。 それも10年前の戦争で気付かなかった自分の能力が開花し、言わば戦争がきっかけで超能力に気付いた者が世界中で現れたからである。 最近、その超能力者を狙う殺人が相次いでいる。 最高責任者であるラングとしては、非常に胸の痛い始末であり、抑えきれない憤ろしさを感じていた。 これはそんな危機的状況にある世界超能力機関に新しく入ってきた、稀な能力を持つ一人の少年の物語。
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