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重たい頭を枕から持ち上げ、まぶしさに目をしばしばさせながら壁にあるカレンダーを見て、俺はようやく今日が金曜日であることを思い出した。
どうりで眩しいはずだ、窓いっばいに青空か広がっていた。
カチッ、と風呂場のドアが開いた。部屋の中がいっぺんに石鹸とシャンプーの匂いでみたされた。
「おはよう…秀人」
そこにはバスローブ姿で濡れた髪をふきなからこっちを見ている綾香がいた。
「う~ん、おはよ」
ロフトから身を乗り出し挨拶を交わす。
「シャワー借りたわ。ごめんなさい、起こしちゃたかしら」
最高の目覚ましだと言いたかったけれど、そういうセリフを言えるほど器用じゃない。
「べつに、そろそろ起きないと学校間に合わないだろ」
「それもそうね、私も急いで準備するね」
リビングをあとにする彼女を見送り、身仕度をするべくロフトから降りる。
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