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暫く言い争った太一と唯さんは(っていうか、唯さんは太一で遊んでたみたいだけど)、最後に唯さんの『俺は、凡人男に手を出すほど相手には困ってなんてないんだから、そんなに威嚇しないでよー』という、なんとも失礼な発言で幕を閉じ………るわけもなく、更に目を吊り上げた太一の右ストレートが唯さんを掠めて金髪君にヒットしたことで、ようやく幕を閉じた……
「まったく…手ぇ出さないって言ってんのになんで怒るかなぁ」
「テメェの言い方が問題だっつってんだよ!」
もう一ラウンド始まりそうな雰囲気に僕は慌てて太一の腕を掴んで叫んだ。
「僕は何て言われたって太一だけ僕を見ててくれたらそれでいいんだからっ!」
「!」
「…ブッ」
叫んだ瞬間顔を真っ赤にした太一を見て唯さんが思いきり吹き出して腹を抱えて笑いだした。
僕変な事言った!?
まだ自分に自信なんて持てなくて、僕が凡人なのは変えようの無い事実だけど、君が好きだと言ってくれるなら、君に見合うように頑張ってみるから…
君と僕と…まったく違う二人だけど…これからは同じ景色を見て、歩いていきたいって思うよ。
終わり
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