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―好きなんだ…
俺がそう言った時の…君の顔が忘れられない…
――――
俺、西宮彩(ニシミヤアヤ)は今お見合いの真っ只中だったりする。
ご趣味は…と、定番のセリフを相手の女性に吐く兄を無表で見つめる。
ニヤニヤと鼻の下を伸ばしただらしない表情…否、弟の俺だからそう見えるだけかもしれない。
兄さんの顔は身内の俺から見ても整っていた。現に目の前の女性は俺とのお見合いだというのに兄さんばかりを見つめ頬を赤らめている。
俺も別にしたくてしているお見合いじゃないから、相手が兄さんに惚れようが構わないんだけど…
じゃあ何で俺がお見合いをしているのか…
それはありきたりな理由。
父の政略結婚。
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