IF…

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暫く泣きじゃくる俺に小さく苦笑いを漏らすと、マナは頭を撫でながらもう良いよと優しく呟いた声に俺は要約泣き止む事が出来た。 それからまた暫く、流石に俺は村に降りるのを止めていた。人間と仲良くくらせたらとは思うけど…あのエクソシストが村からいなくなるまでは… 「マナ、泉に行ってくるね」 タオルを片手にマナに声をかけてから泉に向かう。 村に行かない間良くこの泉で水浴びするのが日課になっていた。 服を脱ぎ捨てて泉に足をつけた。柔らかく絡む水に体を預けて泉の中を泳ぎ空を見上げる…目の前に手の平をかざして痛みの消えた痕を見つめていると不意に近くの茂みが揺れて俺は慌ててそちらへ視線を向けた。 耳を澄ませていると茂みから現れたのはあのエクソシスト。 「!!」 「……見つけた…」 エクソシストが前とは違う柔らかい笑みを浮かべているのにも気づけないほど気が動転していた俺は慌てて相手から逃げるように泳いで下がる 「待ってくれ!」 段々と近づいてくるエクソシストを警戒したように見つめると、エクソシストは困ったというように眉尻を下げて頭をかいた。 何でここに…、ここまで俺を追ってきたんだろうか… 「そんな警戒しないでくれ…。俺が言うのも変かもしれないけど…」 どこか弱々しい声音に漸く少しだけ警戒を解けば俺は恐る恐るエクソシストに声をかけてみた 「何…しに…来たの…」 聞こえたか微妙なほど小さく掠れた声…エクソシストには聞こえたらしくて表情を緩めれば俺の様子を伺う様に一歩一歩近づいてくる。 「謝りに来たんだ…」
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