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家の中へと入ると上総と同じ服を着た人達が数人。一斉に視線がそそがれて怖じ気づいていると上総は俺の肩に手を乗せて目の前の人たちの前に俺を立たせた。
「話してた李斗だ」
「ふーん…ホント、珍しい…」
一番近くにいた銀髪の…男の人かな?綺麗な長い髪と顔立ちで女の人に見えるけど声は低い…。
「上総が李斗李斗って熱をあげる割にはずいぶんと子供なのね…趣味変えたの?」
今度は黒髪の女の人が俺の顔を見つめる。その目が冷たくて思わず後退ると上総は気にするでもなく俺に二人の名前を教えてくれた。
「そっちの銀髪のがクリス、女の方がエレナ」
「李斗です…あの…よろしくお願いします」
軽く頭を下げるとクリスさんはまだ興味津々と言った感じで俺を眺めながらも頷き、エレナさんはフンと鼻で笑ってから上総に微笑んだ。
「上総、今日は李斗と祭りを見に行くんでしょ?私も一緒に行ってもいいかしら?」
エレナさんが俺の肩に触れた瞬間、背中に一気に寒気が走って鳥肌がたった。
思わずエレナさんの手をはねのけるとパシンと乾いた音がして…
「李斗?!」
「っごめ…なさ…」
「…いいの、こちらこそごめんなさいね。驚かせてしまったのよね?」
思わず払いのけてしまった事に上総も驚いてるみたいで、でもエレナさんは緩く微笑んで首を横へと振った。でも、その笑顔も射抜くみたいに冷たくて…
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