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「李斗君、ヤキモチかな?」 クリスさんは苦笑いでこちらを見てるけど、そんなんじゃない… 「大丈夫かエレナ…李斗、謝れ」 「ちが…上総…その人あく…」 「言い訳はいい!」 俺の言葉を聞かないまま上総が声をあらげると、エレナさんが冷たく微笑んで上総を制した 「大丈夫よ上総。李斗は私に上総を取られると思っちゃったのよ。ねえ?…李斗、私と二人で話をしましょう。仲良く…ね?」 「っ!」 ゆっくりとエレナさんが俺の手を掴む。振り払おうとしたけどすごい力でビクともしなかった。 そのまま引きずられるように二人から離れていく…上総を見やると怒った表情を浮かべたまま俺を見ていた。 暫く歩いて路地裏に到着すると、エレナさんが俺の手を離して感情も何も隠らない笑みを深めて振り返る。 「李斗、できそこないの化け物…バカかと思っていたらそうでも無いらしい…早々に私に気づくとは褒めてやろう」 「っ!やっぱり…何で悪魔があんなところに…」 「何、この娘が妖し退治に失敗して死にかけて居たときにたまたま居合わせてな。娘の願いを叶える代わりに少しばかり体を借りただけ…。エクソシストとは便利な体だ…神に使えた体とはいえ、入ってしまえば十字架も何も私には効かない…」
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