1100人が本棚に入れています
本棚に追加
「李斗の姿が見えないと思って探してみれば…油断も隙もないなエクソシスト」
マナの冷たい声に慌てて、腕の中から飛び出すと上総を守るように抱き締めた。
「マナ…上総の事怒らないで…」
「…声が出るようになったんだね李斗」
「え?ぅ、うん…?」
マナは上総の事を複雑そうな表情で見据えている。
「怒るなとは…無理な話だよ。大事な李斗を傷つけたんだから…。でも、悔しいがお前の傷を癒せるのはエクソシストだけのようだし…殺すのは勘弁してあげよう」
マナは仕方ないなって、いつもみたいに笑って俺の頭を撫でた…けどすぐに目を竦めて上総を睨み付け
「…エクソシスト、今度李斗を裏切る様な事があれば…分かっているな。今度は李斗が止めたところでお前の息の根を止めてやる」
「マナ!」
「李斗いいって。俺がお前を裏切るなんて二度と無いから」
上総が顔に滴る水を手で払い立ち上がると、マナは鼻を鳴らしてから優しく俺の頬を撫でた。
「…早く私も李斗の笑顔が見たいよ」
マナの言葉に上総が怪訝そうな表情を浮かべて顔をひきつらせる
「………ん?私も?マナいつから見て…」
「そうだな、李斗が木の根につまずいた辺りからずっと見ていたよ、鼻水たらしながらエクソシストが泣いてたのもばっちり見ていたさ」
「誰が鼻水たらしてたんだよ!」
最初のコメントを投稿しよう!