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「とにかく一刻を争うことになるぞ?いま返すから。」
カロンはそっと僕に手を翳した。
「ありがと。」
僕は瞳を閉じて目覚めることに意識を集中した。
やがて脳内の情景は現実の世界へと移り変わる。
「やっと覚めたんだね。」
ミルフィは僕に言葉をかける。
ミルフィに起こされ、腕時計を見た。時計は三分しか進んでいなかった。
「大丈夫かい?」
クレイムは心配そうにお茶の入ったコップをすすめた。
「大丈夫か?前衛が一人では俺がもたないからな。倒れんなよ。」
ソルもソルなりの優しさを見せているようだ。
僕はクレイムからお茶を貰って一気に飲み干した。
一瞬で体内に吸収される感覚を覚えながら僕は三人にさっきの事を話した。
信じてもらえるかはわからないけど。
五分後…………
多少の覚悟はしていたが、納得してもらうことは難しかった。何とか意見は纏まり、取り敢えず最深部まで向かうことにはなった。
カロンごめん。僕には無理そうだよ。
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