第二章

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そんなことがあったので、事情を知ることになってしまったあの三人にもいろいろ調べてもらった。 しかしながら、貴由も隠密部隊には何も情報は入ってないということらしいし、広太と調査を進めてみたものの、手がかりはなかった。サルには教えなかった。だって教えたら結果なんか手に取るように分かるじゃないか。 まあ、そのことで付き合いが悪くなっていたせいか "最近…俺って…仲間…外れ…?" とか黒化しそうになってなっていたので、今度飯でも食いに行こうかと思う。 夕乃に関してはそういったことは知っていたらしい。そういうことで、直接先輩たちに聞いてもらっていたのだが、どうも話してくれないらしい。 というわけで、色々な方面から当たってはみたのだが、この件の詳細を隠している強固なカティナチオは一週間しても破れていないどころか、綻びすらできていなかった。 まさに八方塞がり。にっちもさっちもいかない状態に陥っていた時だった。 休み時間中、教室に戻ってきた貴由が俺の席にまっしぐら。耳元でこう呟いた。 「今日、一年の各クラスのリーダーが集められて会議が開かれるらしい。」 その流れのまま自分の席についた貴由を慌てて振り返る。 「それマジか。」 「うん。信頼性は高いよ。」 そうして貴由はニヤリと怪しげに笑った。 だとしたらなかなかの一大事だ。 普通各クラスは独立したものなので、学校側は直接クラス同士の関係に干渉することはあまりない。 ところが、リーダーが集められるということはクラス同士の間に直接何かが及ぼされるかもしれないからだ。 と、ここらへんまでは広太の受け売り。 まあ、よくは分からないが、何か異変が起きていることには違いない。 これが例の件と関わっているのか。 答えは翌日出た。
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