第二章

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朝。登校して教室に入ると黒板にデカデカと文字が書かれていた。 ―SHRにて重要連絡事項あり― きっとというか、たぶん昨日のリーダー会議でのことだろう。 隣に目を向けると貴由がほらねというようにウインクしてきた。 小悪魔っぽい感じの貴由がやるととてもよく似合っている。 俺は参りましたというふうに笑って肩をすくめた。 するとドアの方からこんな声が聞こえてきた。 「え~。あんたのとこも?」 「そうなの。朝来たら黒板にあれが。ってことはほとんどのクラスがそうなの?」 「うん。見に行ってきた子が言うにはそうみたいだよ。」 「マジで~。何すんの~?」 聞き耳を立てていると、広太がやってきた。 「全クラスあんな感じらしいな。」 そう言って広太は黒板を指す。 「らしいね。ってことは一年全員に関わることだよね。」 広太は肯く。 「噂では勝負のルールが変わるんじゃねぇかってのが出てるんだが、そうすると先輩たちが秘密にしていた意味がよく分からないんだよな。先輩たちとの勝負は年明けまで禁止されているしな。」 二学期に入って決められたことだが、そうなのだ。但し、後々いろいろな条件がつくらしいが。 遠くを見ると、サルも騒いでいる。 昨日みんなで飯食いに行ったから元気なのだ。 ちょっとは可愛らしいところもある奴だ。 とここで矢部が入ってきた。 みんな連絡事項が気になるのだろうか、素早く席に着いた。
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