第二章

4/21
前へ
/109ページ
次へ
出席確認など、一通りいつもと同じことをこなしてから、矢部はイレギュラーな発言をした。 「それじゃ、鎌田から話があるようなので、みんなちゃんと聞くように。」 クラスの緊張感が一気に高まる。 カマちゃんが教壇に立つ。 そしてこう言った。 「昨日、各クラスのリーダーによる会議が開かれました。そこで通達されたことをお知らせします。」 寒気がするような緊張感に変わっていく。 そんな中をカマちゃんの声が切り裂いた。 「私たち一年生は、姉妹校締結をしている欅(けやき)学院の一年生と対校戦である勝負をすることとなりました。」 状況を飲み込めていない者が多い中、カマちゃんは淡々と説明をしていく。 「勝負の内容など、詳しいことはまだ知らされていませんが、日時は二週間後です。対校戦というだけあって、それなりにハードな勝負となることが予想されるので、各自体調管理をしっかりとしてください。以上で終わりにします。」 スタスタと何事もなかったかのように自分の席に戻るカマちゃん。 矢部のSHR終了の合図があったと同時に彼女が質問責めにあったのは言うまでもない。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加